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法人設立 バーチャルオフィス
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法人設立でバーチャルオフィスを使うには|登記の住所・活動拠点・許認可を法人格ごとに確かめる

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この記事が役に立つ人

  • 自宅の住所を登記に出したくなく、バーチャルオフィスを本店や主たる事務所にしたいと考えている人
  • 一般社団法人やNPO法人の法人設立で、住所サービスを使ってよいのか迷っている人
  • 許認可が必要な事業を予定していて、バーチャルオフィスの住所で足りるのかを知りたい人

バーチャルオフィスは、事業用の住所や郵便物の受取などをサービスとして借りる仕組みです。法人設立の本店や主たる事務所の住所に使いたいという相談は多く、「登記はできる」という説明もよく見かけます。ただ、登記ができることと、法人格の審査や事業の許認可が通ることは別の話です。一つの住所に、登記、活動、許認可という三つの役割が重なっていることを、まず分けて考える必要があります。

この記事は、法人設立でバーチャルオフィスを使うかどうかを考えるカテゴリー記事です。会社と一般法人、NPO法人では住所の決まりが少しずつ違うので、法人格ごとの手続きの面から整理します。サービスの比較や料金表は扱いません。契約する前に確かめる点と、確かめる先を中心にまとめます。

標本 Ⅰバーチャルオフィスで法人設立はできるか|登記の住所と活動拠点を分ける

登記の住所と活動する場所は別々に考える

会社法第4条は、会社の住所はその本店の所在地にあるものとしています。法人設立で本店をどこに置くかは、定款に記載し、登記する事項です。バーチャルオフィスの住所を本店にしたい場合も、法人格を取得する手続きの形は、他の住所を使う場合と変わりません。

大切なのは、住所の役割を三つに分けて考えることです。登記簿に載せる住所、実際に人が集まって仕事をする場所、官公庁や取引先からの連絡を受ける場所。普通の事務所なら一つの場所が兼ねますが、バーチャルオフィスでは、これらがばらばらになります。どの機能を住所サービスに任せ、どの機能を別の場所で補うのかを、設立の前に決めておきます。

登記の住所、活動する場所、連絡を受ける場所の違い
図:登記の住所、活動する場所、連絡を受ける場所の違い

「バーチャルオフィスでも登記できる」という説明は、このうち登記の住所についてのものです。法人設立ができても、許認可の審査や口座開設の審査で、活動する場所や連絡の取れる場所が別途見られることがあります。登記の可否だけで判断すると、あとから手続きが止まる原因になります。

住所の決め方の基本は法人設立の住所はどこに置けるか|登記と活動拠点で、サービスを使う場合の契約や許認可の確認はバーチャルオフィスで法人格を得る前に|利用契約と許認可で、それぞれ詳しく扱っています。

出典会社法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅱ法人格ごとの住所の決まり|本店・主たる事務所・事務所

法人格ごとに住所の呼び方と根拠条文が違う

住所の呼び方は法人格によって違います。会社は「本店」、一般社団法人・一般財団法人は「主たる事務所」、NPO法人も「主たる事務所」が住所になります。名前が違っても、法人の法律上の住所を決める役割は共通です。条文で確かめた範囲を、次の表にまとめます。

法人格ごとの住所の根拠(確認日 2026年10月23日)
対象 住所の呼び方 根拠 定款に書く所在地
株式会社・合同会社 本店 会社法 第4条 株式会社は第27条に本店の所在地。持分会社は第576条に本店の所在地
一般社団法人・一般財団法人 主たる事務所 一般法人法 第4条 一般社団法人は第11条に主たる事務所の所在地
NPO法人 主たる事務所 特定非営利活動促進法 第6条 第11条第1項に主たる事務所及びその他の事務所の所在地

会社法第27条は、株式会社の定款に本店の所在地を記載するよう定めています。一般法人法第11条にも、主たる事務所の所在地が定款の記載事項に挙げられています。登記する住所は、定款に書いた所在地と整合している必要があるので、住所を決めてから定款を作る順番になります。

ここで気をつけたいのは、法人格によって、事務所に求められる実質が違う点です。会社の本店は、条文の上では所在の場所を定める意味が中心です。NPO法人の事務所は、所轄庁の認証の審査の中で、書類の備え置きや連絡の取りやすさが問われることがあります。次の節で、その具体例を見ます。

法人格そのものの選び方は、法人設立 法人格や法人設立 種類の分類にまとめています。住所の事情は、法人格を選ぶときの条件の一つとして加えておくと、あとから変更しなくて済みます。

出典一般社団法人及び一般財団法人に関する法律|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 ⅢNPO法人の事務所は実体が見られる|認証の手引きに書かれていること

NPO法人の事務所は連絡と書類の備え置きが見られる
NPO法人の事務所は連絡と書類の備え置きが見られる

一般社団法人や株式会社は、準則主義で、所轄庁の審査なしに登記で成立します。NPO法人は所轄庁の認証を受けてから登記する点が違い、事務所についても行政の手引きに考え方が書かれています。大阪市のNPO法人設立の手引きのQ&Aは、その具体例です。

同じ手引きによると、自宅でも、法人の事業活動の中心となる場所で、代表者が所在して継続的に業務が行われるなら、事務所にできます。個人の住宅を主たる事務所にする場合は、事業報告書などを備え置き、社員や利害関係人からの閲覧請求に対応できることが必要です。所轄庁や利害関係者が、郵便や電話で連絡を取れることも当然必要とされています。

実際に入居することなく住所・電話番号をサービスベンダーから借り受け、届いた郵便物は転送し、かかってきた電話にはオペレーターが応対するような、いわゆるバーチャルオフィスは、NPO法人の事務所としてはふさわしくないと言えるでしょう。

これは大阪市が所轄庁としてNPO法人に示した見解です。全国のすべての所轄庁が同じ扱いとは限らず、法律の条文に「バーチャルオフィスは不可」と書かれているわけでもありません。ただ、NPO法人のように所轄庁が事務所を確認する法人格では、住所サービスを使う案が通らない場合があることは、設立の前に知っておくべきでしょう。

NPO法人の法人設立では、住所を決める前に、所轄庁の窓口で事務所の考え方を確かめるのが安全です。所轄庁は活動する場所によって都道府県か指定都市かが決まります。認証を受けたあとに住所を変えると、定款の変更や手続きが必要になることがあるので、最初の決め方が重要です。NPO法人全体の流れは法人設立 NPOの分類で扱っています。

出典大阪市|NPO法人設立の手引(制度・事務所)(大阪市・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅳ許認可の事務所要件|登記できても事業の許可が出るとは限らない

許認可の事務所要件は登記とは別に審査される
許認可の事務所要件は登記とは別に審査される

法人設立が終わっても、事業によっては行政の許可や登録が別に必要です。その許認可の審査で、事務所が見られることがあります。登記ができたことと、許認可の事務所要件を満たすことは、別の判断です。

東京都の宅地建物取引業の事務処理要綱を例に見ると、宅建業の免許における「事務所」は、商業登記簿などに登載されたもので、継続的に宅地建物取引業者の営業の拠点となる施設としての実体を有するものが該当するとされています。登記された住所があるだけでは足りず、営業の拠点としての実体が見られるという考え方です。

事務所の要件は、宅建業に限らず、分野ごとに所管官庁が定めています。人材派遣、建設、古物、医療、福祉、士業の登録など、事務所の広さ、独立性、設備、常勤の人の有無などを確認する分野は少なくありません。要件の中身は法令や自治体の運用で異なるため、ここでは細部に立ち入りません。

許認可のある事業での住所の決め方の流れ
図:許認可のある事業での住所の決め方の流れ

順番を誤ると、バーチャルオフィスを契約し、登記まで済ませたあとで、許可の申請が受け付けられないという事態になりかねません。契約前に所管窓口へ相談し、事業と法人格の手続きを並べた計画を立てておくと安心です。許認可と登記の関係はバーチャルオフィスで法人格を得る前に|利用契約と許認可で、事務所の確認の仕方まで掘り下げています。

出典東京都|宅地建物取引業法事務処理要綱(東京都・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅴ契約の中身を読む|登記できるプラン・設立前の申込み・郵便の扱い

プランの違いと郵便の受取条件を契約前に読む

バーチャルオフィス事業者の公開しているよくある質問を読むと、契約の中身に注意点が多いことが分かります。あるサービスのFAQでは、プランによって法人登記に使えるもの、使えるが荷物の受取や転送ができないもの、受取れる荷物の種類を限っているものなどが分けられています。安いプランが「住所利用のみ」で、登記に使えない場合もあるので、プランを選ぶときは法人登記に使えるかを確かめます。

同じFAQは、バーチャルオフィスの契約は賃貸借契約ではなくサービス利用契約になるので、賃貸借契約書は発行できないと説明しています。賃貸借の契約書を前提にした手続きでは、別の書類を求められることがあります。これは事業者ごとに異なる扱いで、一般論として言い切れるものではありません。

法人設立の前後で契約者が変わる点にも注意が必要です。同じ事業者の別のFAQは、これから法人を設立する場合は、まず代表者となる人が個人で申し込み、住所が開示されたあとで登記に使い、設立が終わったら法人契約へ切り替えると案内しています。申込みから利用開始までの日数は審査を含めて事業者が示しており、設立のスケジュールに余裕を持たせる必要があります。

郵便物の扱いも事業者の規約で決まります。書留などの対面受取が必要なものに手数料がかかる、現金書留や裁判所からの書類のように公的・法的な効力のある文書は受け取れない、といった条件が示されています。官公庁からの重要な通知を逃さない運用が可能かを、契約前に確認してください。

法人口座の開設は、住所の契約や登記とは別に、金融機関が審査します。審査の考え方は金融機関ごとに異なると解説する事業者や専門メディアが多いので、口座を開く予定の金融機関に、住所の事情を事前に相談しておくのが確実です。契約の確認項目の詳細はバーチャルオフィスで法人格を得る前に|利用契約と許認可にあります。

出典サービスプランに関して – よくある質問 | DMMバーチャルオフィス(DMMバーチャルオフィス・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅵ公開される情報を知っておく|登記簿と法人番号公表サイト

本店の所在地は誰でも確認できる公開情報になる

バーチャルオフィスを選ぶ理由として、自宅の住所を公開したくないという動機があります。法人設立で登記した本店や主たる事務所の所在地は、登記簿に載り、誰でも確認できる情報になります。さらに、国税庁の法人番号公表サイトにも出ます。

国税庁の法人番号の案内によると、公表サイトでは、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号の基本3情報が公表されます。法人番号は誰でも自由に利用できる番号で、名称や所在地から検索することもできます。所在地を変えた場合の履歴も公表される情報に含まれます。

自宅を出さない選択には、このように明確な利点があります。一方で、公開される住所が、実際には事業をしていない場所だと取引先や金融機関に伝わると、信頼性の面で説明が必要になる場面があります。住所の使い方と実際の活動の関係を、説明できる形にしておくことが大切です。

公開情報は、法人格を取得した後もずっと残ります。最初の住所の決め方が、取引や口座開設の場面で見られることを前提に、住所サービスの選び方を決めましょう。

出典法人番号とは|国税庁法人番号公表サイト(国税庁・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅶ住所を変えるとき|解約・移転と変更登記の手続き

住所を変えるときは契約と登記を同時に考える
住所を変えるときは契約と登記を同時に考える

バーチャルオフィスは、解約や事業者の都合で、住所を変える必要が出ることがあります。住所が変われば、登記簿の本店や主たる事務所の所在地を変更する手続きが必要です。会社法第915条は、登記事項に変更が生じたときは、2週間以内に本店の所在地で変更の登記をしなければならないと定めています。

登録免許税もかかります。国税庁の登録免許税の税額表には、本店または支店の移転の登記について、本店または支店の数1箇所につき3万円と記載されています。国税庁の税額表で確認できる金額で、法人格や登記所の管轄などによって扱いが変わる場合があるため、実際の申請前に法務局で確認してください。

法務省の案内は、所在地の表記の誤りを直す登記申請と、実際に移転した場合の登記申請を分けて説明しています。誤記の訂正と、移転による変更は別の手続きです。住所サービスの事業者が住所の表記を変えただけなのか、実際に所在地が変わったのかで、必要な手続きが違います。

契約の終了と登記の変更がずれると、登記簿の住所に連絡が届かない期間が生じます。解約の予定日、新しい住所の確保、登記の申請日、郵便の転送の停止を、同じ予定表にまとめて管理します。

NPO法人の場合は、事務所の所在地を変えるとき、定款の変更や所轄庁への手続きが必要になることがあります。大阪市の手引きもその旨を注意しています。住所の移転は、法人格によって手続きが大きく変わる場面です。詳しくは法人設立の住所はどこに置けるか|登記と活動拠点を参照してください。

出典法務省:会社・法人の所在地の表記に誤り等がある場合の登記申請について(法務省・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅷまとめ|住所は登記・活動・許認可の三つを分けて決める

登記、活動、許認可の三つを分けて住所を決める
登記、活動、許認可の三つを分けて住所を決める

法人設立でバーチャルオフィスを使う場合、登記の住所、活動する場所、事業の許認可という三つの役割を分けて確かめることが出発点です。会社の本店、一般法人とNPO法人の主たる事務所という住所の決まりは、法人格ごとに根拠条文があります。登記の手続きそのものは、法務局の商業・法人登記の案内で確認できます。

  1. 必要な許認可を調べ、所管窓口で事務所要件を確かめる
  2. 法人格を選び、住所の決まりと所轄庁の考え方を確かめる
  3. 登記に使えるプランか、契約の条件を読む
  4. 住所を変えるときの登記と契約の手続きも先に見ておく
バーチャルオフィスを契約する前に確かめる点と、立ち止まるべき点
図:バーチャルオフィスを契約する前に確かめる点と、立ち止まるべき点

住所サービスの利用は、法人設立の準備の一部です。登記ができるという表示と、法人格の審査や事業の許認可が通ることは別であり、一つの住所に三つの役割を背負わせない設計が安全です。この記事の内容は2026年10月23日に確認した条文と公開資料にもとづく一般的な整理です。制度やサービスは変わるため、手続きの前に、法務局、所轄庁、許認可の窓口、司法書士・行政書士へ最新の扱いを確認してください。

まず、予定している事業に許認可が要るかどうかと、選ぼうとしている法人格の所轄庁の考え方を、窓口に問い合わせてみてください。その答えがそろってから、住所サービスの比較に進めば、契約し直す回り道を減らせます。

出典登記―商業・法人登記―(法務省・確認日 2026年10月12日)

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  • 読了 約11分
  • 確認日 2026年10月12日

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