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法人設立 有限会社
分類 018会社(営利)

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法人設立 有限会社は今からつくれるのか|特例有限会社の位置づけと、いま選べる法人格

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先に確かめたい人へ

  • 「法人設立 有限会社」で調べていて、いま有限会社をつくれるのかをはっきりさせたい人
  • 取引先や家族から引き継いだ有限会社があり、特例有限会社という法人格の位置づけを知りたい人
  • 有限会社のような小さな会社を探していて、代わりにどの法人格を選べばよいか見当をつけたい人

法人設立で「有限会社」と検索する人は、今でも少なくありません。法人設立の入口で迷う典型的な例です。古い本や親世代の会社名から、小さな会社なら有限会社、というイメージが残っているからでしょう。結論を先に書くと、有限会社を新しくつくることはできません。ただ、街の看板やかつての取引先には有限会社の名前が残っており、その法人格は法律の上でちゃんと存続しています。

この記事では、新設ができない理由、既存の特例有限会社の位置づけ、商号の決まり、代わりに選べる法人格、合名会社・合資会社という選択、株式会社への移行の考え方を順に整理します。株式会社や合同会社の作り方、設立費用の内訳は姉妹サイトの担当なので、ここでは扱いません。

標本 Ⅰ有限会社という法人格は、いま新しくつくれない

有限会社の新設は2006年で終わった
有限会社の新設は2006年で終わった

有限会社を新しくつくれない理由は、法律の条文で確かめられます。会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)の第1条は、廃止する法律の一つとして有限会社法を挙げています。有限会社法がなくなったので、有限会社という法人格の根拠法も新たな設立のルールも、いまの法律には残っていません。

次に掲げる法律は、廃止する。

廃止の背景には、会社法が株式会社の設立手続きを整え、小さな会社でも株式会社を選びやすくしたことがあります。旧制度の有限会社が担っていた役割は、小規模な株式会社と、2006年に新しく加わった合同会社が引き受けました。法人設立の候補に有限会社を入れること自体が、もう制度上成り立たないのです。

古い解説書や、更新されていない記事には、有限会社の設立に必要だった人数や資本の額、手続きの流れが載っています。その記述を、いまの法人設立の手続きに当てはめてはいけません。記事の日付だけでなく、「どの制度の時点の話か」を確かめてください。

この分類の中心になる説明は、今から有限会社を設立できるかに詳しく書いています。まず新設ができないことを押さえたうえで、次の章で「では既存の有限会社は何なのか」を見ていきます。

出典会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(e-Gov法令検索・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅱ特例有限会社は株式会社の一種|名前だけが旧制度に残った法人格

特例有限会社は、株式会社として存続している

整備法第2条第1項は、施行の際に現に存在した有限会社が、会社法の規定による株式会社として存続すると定めています。つまり、特例有限会社は有限会社という別の法人格ではなく、特則つきの株式会社です。同条第2項では、旧有限会社の定款・社員・持分・出資一口を、それぞれ株式会社の定款・株主・株式・一株とみなすとしています。

商号
商号中に「有限会社」という文字を用いなければならない(整備法第3条第1項)。
機関
株主総会以外の機関として置けるのは監査役だけ(整備法第17条第1項)。取締役会などは置けない。
役員の任期
取締役の任期に関する会社法の規定は適用されない(整備法第18条)。
株式の譲渡
全株式に譲渡承認を要する旨の定めがあるものとみなされ、これと異なる定めに変えることはできない(整備法第9条)。
休眠会社の扱い
休眠会社のみなし解散の規定は適用されない(整備法第32条)。

この特則の束が、特例有限会社の「らしさ」です。役員に任期がないこと、取締役会を置けないことは、法人設立のあとの運営に影響します。逆にいえば、新しく法人設立をする人が「有限会社と同じ運営をしたい」と思っても、特例を新設の会社に持ち込む仕組みは法律上ありません。

特例有限会社は、ふつうの株式会社と同じ規律がすべて当てはまるわけでもありません。事業の引継ぎや相続で特例有限会社に関わる場合は、実際の定款と登記事項を確かめ、「特例有限会社である」ことを前提にした手続きの案内を探してください。承継の場面は活動を別の法人へ移す前にが参考になります。

注意特例有限会社の特則は、既存会社の運営の継続性に配慮した経過的な制度です。個別の判断では、会社法の原則、整備法による変更点、会社の定款の三つを合わせて見る必要があります。

出典会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(e-Gov法令検索・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅲ「有限会社」の名前で法人設立できるか|商号の決まりを条文で読む

商号に使える文字は会社の種類で決まる

「商号に有限会社と入れれば、有限会社になる」と考える人もいますが、順序が逆です。会社法第6条第2項は、会社は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の種類に従い、その商号中に、それぞれの文字を用いなければならないと定めています。同条第3項は、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を使ってはならないとしています。

特例有限会社の側にも同じ発想の決まりがあります。整備法第3条は、特例有限会社は、特例有限会社以外の株式会社・合名会社・合資会社・合同会社と誤認されるおそれのある文字を商号に使ってはならないと定めています。反対に、特例有限会社以外の会社が、特例有限会社と誤認されるおそれのある文字を使うことも禁じられています。違反した場合には、100万円以下の過料に処する旨が同条第4項にあります。

会社の種類と商号に使う文字の対応を示した図
図:会社の種類と商号に使う文字の対応を示した図

店名やブランド名と、登記する商号は別物です。法人設立のときも、既存会社の名前を使うときも、この区別は変わりません。ブランド名に「有限」の語感を入れるのは自由でも、登記上の商号や契約書の表示で会社の種類を誤認させる書き方は避ける必要があります。古い請求書や銀行の登録名だけで会社の種類を判断せず、登記事項で現在の商号を確かめてください。

既存の有限会社の知名度を引き継ぎたい場合は、商号を使い続けることと、事業や責任を承継することを分けて考えます。名称だけを借りる発想は、トラブルのもとになります。

出典会社法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅳ有限会社の代わりに選ばれる法人格|株式会社・合同会社と、非営利の分かれ道

有限会社の後継は、株式会社と合同会社
有限会社の後継は、株式会社と合同会社

「小さな会社を有限会社のようにつくりたい」という希望には、いま主に二つの答えがあります。一つは小規模な株式会社、もう一つは合同会社です。どちらも会社法の会社で、法務局に登記をして成立する準則主義です。違いは、出資者と経営者を分けるのか(株式会社)、同じ人が担うのか(合同会社)という設計にあります。

有限会社の代わりに検討する会社(確認日 2026年10月23日)
法人格 設立に必要な人数 最低限の財産 設立の方式と期間 利益の分配 税制の大枠 所管
株式会社 発起人1人・取締役1人 下限なし 準則主義・定款認証あり・所轄庁の審査なし/登記完了日は管轄へ確認 できる 普通法人として原則全所得課税 法務局
合同会社 社員1人 下限なし 準則主義・定款認証なし・所轄庁の審査なし/登記完了日は管轄へ確認 できる 普通法人として原則全所得課税 法務局

表の通り、人数や財産の下限、税制の大枠は二つの会社でほぼ重なります。選ぶ決め手は、将来出資者を増やす予定があるか、利益の分け方を自由に決めたいか、取引先に対する見え方をどう考えるか、といった点です。それぞれの法人格の性格は、法人設立 株式会社と法人設立 合同会社のカテゴリーで比べています。

営利を目的としない活動なら、法人設立の候補として有限会社の後継を探すこと自体が方向違いかもしれません。利益を分けない前提なら、一般社団法人やNPO法人が候補に上がります。法人格の全体像は法人設立 種類に並べてあるので、迷ったときはそこから入口を選び直してください。

設立費用や設立の流れは、姉妹サイトのそれぞれの担当です。当サイトでは、有限会社の代わりにどの法人格を選ぶかという入口のところまでを書きます。

出典会社法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅴ合名会社・合資会社という選択|実はいまも設立できる会社

合名・合資会社も、いまなお設立できる
合名・合資会社も、いまなお設立できる

「合資会社は今はどうなっているのか」という疑問も、有限会社とセットで検索されます。合名会社と合資会社は、有限会社と違って現在も設立できます。会社法第575条は、合名会社・合資会社・合同会社をまとめて持分会社と呼び、社員になろうとする者が定款を作成して設立すると定めています。

違いは責任の範囲です。定款には、社員が無限責任か有限責任かの別を書く必要があり(第576条)、合名会社は社員の全部を無限責任社員、合資会社は一部を無限責任社員にして残りを有限責任社員、合同会社は全部を有限責任社員とします。無限責任社員は、会社の債務を完済できない場合などに、連帯して弁済する責任を負いえます(第580条第1項)。

有限責任社員の責任は出資の価額が限度です(第580条第2項)。ただし、合資会社には必ず無限責任社員がいます。合資会社を合同会社と同じ感覚で選ぶと、責任の重さに違いが出ます。また、持分会社の種類は定款の変更で変わります。例えば合資会社が社員の全部を有限責任社員とする定款の変更をすれば合同会社になります(第638条第2項)。

実際の数でも、合名会社・合資会社は少数です。国税庁の令和6年度分会社標本調査では、合名会社が2,986社(0.1%)、合資会社が1万916社(0.4%)と報告されています。新しく選ばれることは多くありませんが、家業や事業の承継の場面で出会うことがあります。社員の責任と法人格の関係は合名会社・合資会社という選択で詳しく見ています。

注意無限責任社員になると、会社の債務について個人の財産が関わる可能性があります。責任の重さを理解しないまま名前だけ載せることは避け、専門家に確認してください。

出典会社法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅵ特例有限会社から通常の株式会社へ|商号変更による移行の仕組み

有限会社の商号を株式会社へ変える

特例有限会社が、通常の株式会社になる道もあります。整備法第45条第1項は、特例有限会社は定款を変更して、その商号中に株式会社という文字を用いる商号の変更ができると定めています。この定款変更は、第46条の登記をすることによって効力を生じます(第45条第2項)。

登記の形は、少し独特です。第46条は、株主総会の決議をしたときは2週間以内に、本店の所在地で、特例有限会社については解散の登記を、変更後の株式会社については設立の登記をしなければならないと定めています。登記の上では「解散」と「設立」の二つが並ぶ形ですが、これは特例有限会社が通常の株式会社へ移るために整備法が用意した手続きです。法人格がどう連続するかという細かな扱いは、司法書士か管轄の法務局に確かめてください。

特例有限会社から通常の株式会社へ移る手続きの流れ
図:特例有限会社から通常の株式会社へ移る手続きの流れ

移行すると、特例有限会社の特則は外れ、会社法の通常の規律が適用されます。取締役会などの機関を置けるようになり、役員の任期の定めも通常のものになります。反対に、通常の株式会社になったあとで特例有限会社に戻る手続きは、整備法の条文には見当たりません。戻れない選択である点は、移行前にしっかり家族や役員と話し合っておく必要があります。

登記申請に必要な書類は、法務局が様式を案内しています(会社法の施行に伴う会社登記についてのQ&Aも参照)。費用や期間の目安は情報源によってばらつきがあるため、ここでは数字を書きません。司法書士や管轄の法務局に直接確かめてください。法人格の変更と新設の違いは法人格の変更はどこまで可能かに整理しています。

出典会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(e-Gov法令検索・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅶ統計のなかの有限会社|会社標本調査では株式会社に含まれる

統計では、旧有限会社は株式会社に入る

「有限会社はいまどれくらい残っているのか」と気になる人もいるでしょう。国税庁の会社標本調査は、調査対象法人の説明のなかで、株式会社に「旧有限会社を含む」と注記しています。つまり、特例有限会社は統計の上では株式会社の数に入っており、この調査だけでは特例有限会社の数を取り出せません。

株式会社に旧有限会社が含まれる会社標本調査の法人数
図:株式会社に旧有限会社が含まれる会社標本調査の法人数

特例有限会社の正確な数が知りたいときは、別の資料を探す必要があります。インターネットでは「特例有限会社は約何万社」という数字を載せた記事もありますが、調査の主体や時点が書かれていないものは、そのまま引用できません。数字を使うなら、出典の名前と年度、調べた範囲を添えるのが原則です。

統計の読み方は、法人の数と設立件数は別の統計に具体例を載せました。令和6年度分の調査は2026年3月の公表です。公表のあとに新しい年度が出ることがあるので、使う前に最新の版を確かめてください。

法人設立の判断のために統計を見るなら、「いまある会社の数」と「その年に新しく設立された数」を混ぜないことが大切です。有限会社のように新設ができない法人格は、後者がゼロになります。それは、手続きが禁じられているからであって、人気がなくなったからではありません。

出典令和6年度分会社標本調査報告書(2026年3月)(国税庁・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅷまとめ|新設・存続・移行・承継を分けて考える

新設・存続・移行・承継を分けて見る
新設・存続・移行・承継を分けて見る

法人設立の相談で有限会社の話題は、新しくつくる話、いまある会社の話、株式会社に移る話、引き継ぐ話が混ざりやすい分野です。新設はできません。存続している会社は特例有限会社で、株式会社の一種です。移行は商号変更の形で行えます。引継ぎは別の論点で、法人設立の手続きとは分けて考えます。新規の法人設立か既存会社の話かを、最初の一言で相手に伝えてください。

  1. 有限会社は新設できないと確認する(整備法第1条)
  2. 既存の会社なら、特例有限会社としての特則を定款と登記で確かめる
  3. 新しくつくるなら、株式会社・合同会社・合名・合資、非営利の法人格から選ぶ
  4. 特例有限会社のままにするか、通常の株式会社へ移るかを決める
  5. 移行は戻れない選択として、関係者全員で話し合う
有限会社について調べる前に確かめる項目と、立ち止まる項目
図:有限会社について調べる前に確かめる項目と、立ち止まる項目

この記事の内容は、2026年10月23日の時点で、整備法と会社法の条文、国税庁の報告書で確かめたものです。制度は改正されることがあります。実際の手続きに入るときは、司法書士・税理士・法務局の窓口で最新の扱いを確認してください。

有限会社という言葉には、小さな会社を温かく見守るような響きがあります。けれども法人設立の入口では、その響きに頼らず、いまの法律で選べる法人格を冷静に見比べることが大切です。気になる選択肢があれば、株式会社や合同会社のカテゴリーに進んで、続きを読んでみてください。

出典会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(e-Gov法令検索・確認日 2026年10月12日)

他にもこのようなサイトで検索されていますので、ぜひ見てください

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ht-tax.or.jp

企業ガイド「有限会社は設立できるか」

有限会社を設立できない理由を税理士事務所が説明するページ

創業手帳「有限会社」有限会社の現状と選択肢を紹介する記事
幻冬舎ゴールドオンライン「特例有限会社」
特例有限会社から株式会社への移行を扱う記事
gentosha-go.com
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特例有限会社の移行を司法書士事務所が解説するコラム

有限会社に関する登記の実務コラム
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