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SPECIMEN LABELNo.069

対象の法人格
社会福祉法人
根拠法
社会福祉法 第22条・第25条・第30条〜第34条ほか
所管
原則は都道府県知事。事務所と事業区域等により市長・指定都市の長・厚生労働大臣の区分あり
設立の方式
所轄庁による定款の認可を経て、設立登記により成立

社会福祉法人の設立認可|事業・資産・所轄庁の入口

確認日 2026年10月12日読了 約11分編集 『法人設立のえらびかた図鑑』編集部認可

社会福祉法人の設立認可|事業・資産・所轄庁の入口

先に確かめたい人へ

  • 福祉施設やサービスの運営主体として社会福祉法人を検討する人
  • 土地や資金を提供して法人設立を支えたい人
  • 法人の認可と、事業・施設の手続きを整理したい準備担当者

社会福祉法人を設立したいと考えたら、まず何の社会福祉事業を行うのかを確かめます。「福祉に役立つ活動」という日常的な表現と、社会福祉法が定める社会福祉事業は同じ範囲ではありません。法人設立では、事業の計画、必要な資産、継続して運営する機関を結び付けて準備します。

2026年10月12日に確認した社会福祉法と厚生労働省等の資料を基に、認可相談へ進む前の論点を整理します。法人格の取得と、個々の施設の認可・サービスの指定は別に確認が必要です。資産の要件も事業の種類等で扱いが変わるため、単一の金額や人数だけをそろえれば設立できるという説明にはしていません。

標本 Ⅰ予定する活動が、法律上の社会福祉事業かを確かめる

福祉の活動を、法定の事業へ照らして確認
福祉の活動を、法定の事業へ照らして確認

社会福祉法第22条は、社会福祉事業を行うことを目的として設立される法人を社会福祉法人と定義しています。ここでいう事業は、同法第2条の第一種・第二種社会福祉事業です。法人設立を検討するときは、予定する活動の名称だけでなく、根拠となる事業の区分と実際の内容を確認します。

高齢者を支える活動でも、介護施設の経営、生活上の相談、交流の場の提供など、内容によって制度上の扱いが異なります。対象者が福祉的な支援を必要としているからという理由だけで、どの活動も社会福祉事業に該当すると考えないでください。活動を一つずつ書き出して、事業を所管する窓口へ確認します。

法人格を取得したい理由が、補助金や寄附を受けやすくしたいということでも、社会福祉事業の実施という法人の目的を省けません。資産を保有するためだけに社会福祉法人をつくる構想と、制度が求める事業の継続性は別の話です。地域のどの需要へ応えるか、そのためにどの事業を行うかを明らかにします。

社会福祉法人には、社会福祉事業に支障がない範囲で公益事業や収益事業を行う規定もあります。ただし、これらを自由な商業活動の器として選べるという意味ではありません。本来の事業との関係や、収益の使途、会計の区分を確認します。法人設立の計画では、各事業の位置づけが読み取れる構成にしてください。

事業一覧に入れたい項目

サービスの内容、利用対象、実施場所、根拠法令、必要な認可・指定、開始予定を一行ずつ記入します。「福祉事業一式」という書き方を避けると、法人設立の相談で確認する点が見えます。

出典社会福祉法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅱ所轄庁は、主たる事務所と事業を行う区域を合わせて見る

住所だけでなく、事業区域にも注意

社会福祉法第30条の所轄庁は、主たる事務所の都道府県知事を原則としつつ、市の区域を越えない事業を行う法人などに市長の区分を置いています。また、指定都市に主たる事務所があり、一つの都道府県内の複数市町村に事業が及ぶ場合等の区分もあります。法人設立の申請先を、所在地の県だけで決めないようにします。

一定の広域の法人について厚生労働大臣が所轄庁となる規定もあります。県をまたげば必ず国、施設が一つなら必ず市、と単純化せず、主たる事務所と全事業の区域を説明して確認してください。法人格の認可を扱う窓口と、各施設を扱う窓口が同じとは限りません。

東京都の設立相談案内では、公益事業や収益事業を含む実施予定区域に注意して相談先を確認するよう示されています。主な施設だけを挙げて、別の場所で行う事業を説明しないと、所管の前提が違う可能性があります。法人設立の構想を相談するときは、全体の事業一覧と所在地を一緒に示します。

初年度は一つの市内で行い、その後に別地域へ広げる予定がある場合も、将来構想と確定した計画を分けて伝えます。法人設立後の事業追加や所在地変更には、定款変更などの手続きが関わる場合があります。最初の申請先の判断だけで、将来の変更まで済んだと考えないでください。

相談に行く前には、予約の要否と持参する資料を公式案内で確認します。事業を始める理由、土地や施設の候補、資金計画、設立に関わる人の概要があると、窓口で具体的な論点を確認できます。法人格を得るための一般的な説明だけを聞く段階と、自分たちの計画を審査へ向けて整える段階を区別します。

出典社会福祉法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅲ法人の設立認可と、施設・事業の認可や指定を区別する

法人をつくる判断と、サービスを始める判断

社会福祉法人の設立では、社会福祉法第31条に基づき定款について所轄庁の認可を受けます。その後、設立登記で法人として成立します。一方、施設を設け、サービスを提供するための認可や指定などは、事業に応じた別の制度で確認します。法人設立が終われば直ちに全サービスを開始できるという理解は避けてください。

新しい施設を建設する場合には、建築、用地、補助金、資金借入れなど複数の調整が関わります。東京都の相談案内も、設立認可に当たり多くの調整事項と書類準備が必要になるため、余裕ある日程と事前相談を求めています。法人格の審査だけを切り出して期間を考えないことが重要です。

自治体の整備計画や公募と関わる事業では、その事業側の条件が法人設立の計画へ影響することがあります。採択前の構想と実施が決まった計画を区別し、土地の購入や工事契約をどの段階で行うかを相談します。まだ存在しない法人名義で責任を負えると考えず、設立前の行為の主体も明らかにします。

施設の完成時期だけを先に約束すると、法人の認可や登記、事業の指定に必要な資料との関係が合わなくなる場合があります。法人設立担当、施設整備担当、事業運営担当が共通の予定表を持ち、次の工程に必要な書類と判断を確認します。制度の窓口が複数でも、計画は一つとして管理してください。

法人と事業の準備を接続する
図:法人と事業の準備を接続する

出典社会福祉法人の設立相談(東京都福祉局・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅳ基本財産と運営資金は、同じものとして数えない

事業の基盤になる資産と、日々の支払いの資金
事業の基盤になる資産と、日々の支払いの資金

社会福祉法第25条は、社会福祉事業を行うために必要な資産を備えることを求めています。審査では事業のための土地・建物等と、運営に必要な現預金などを区別して考えます。法人設立に際し土地の寄附があるから、職員給与や開所準備費もすべて賄えるということにはなりません。

厚生労働省の審査要領は、法人設立の場合に、その他財産として年間事業費の12分の1以上に相当する現金・普通預金等を有することを示しています。また、一定の介護・障害・児童分野の事業を主として行う場合には12分の2以上が望ましいとする記載があります。適用される前提と事業費の算定を、所轄庁へ確認してください。

土地や建物については、事業の種類や施設整備の条件による扱いがあるため、全法人が同じ資産額で設立できるとは言えません。借りる場合には使用権限と継続性、所有する場合には権利関係や担保の状況を確認します。法人格の取得を目的として、実際には使えない資産を計画に含めないことが大切です。

提供する財産が寄附によるものなら、寄附者の意思、所有権、移転できる時期を明らかにします。共有の土地や相続の整理が済んでいない資産では、設立準備者一人の意思で処分できるとは限りません。必要な権利者の同意などを専門家へ確認し、法人設立までに解消すべき事項を整理します。

資金が借入れに頼る場合には、返済と事業運営の両立を検討します。将来の利用者数や収入を過大に見積もって返済計画を作ると、サービスの継続へ影響します。法人設立時の財産目録、借入計画、収支計画が同じ前提になっているかを確かめ、数字の根拠を説明できる状態にしてください。

  • 事業の基盤になる資産の所有・使用の権利を確認する。
  • 現預金として必要な資金を、不動産の価額と分ける。
  • 寄附と借入れを区別し、条件と相手方を明確にする。
  • 資産の取得後に続く修繕・維持費も予算へ入れる。

出典社会福祉法人の認可について(社会福祉法人審査要領)(厚生労働省・確認日 2026年10月12日)

標本 Ⅴ必要な機関を担う人を、施設の職員計画とは別に確保する

サービス提供の人員と、法人の経営機関を分ける
サービス提供の人員と、法人の経営機関を分ける

社会福祉法人には評議員、評議員会、理事、理事会、監事が必要です。社会福祉法は理事6人以上、監事2人以上を求め、評議員の数は定款で定める理事の員数を超える数としています。法人設立の人数は、施設で働く職員を何人雇うかという配置計画とは別に確認します。

理事や監事には識見などの要件があり、評議員や役員の間の親族等の関係、兼職にも制限があります。人数だけを足して名簿をつくり、職務を後から割り振る方法では、要件に合うか分かりません。どの立場を担う人が必要かを図にし、候補者の関係を確認します。

施設の管理者を理事に含める規定もあるため、施設側の人員計画と法人の機関は全く無関係ではありません。一方、監事や評議員については職員との兼任を自由にできません。法人格の運営を確認する側と、実際に業務を行う側の役割を区別します。

法人設立時には人が集まっても、将来の改選時に候補者がいなければ運営に支障が出ます。地域の福祉の実情を理解する人、経営や財務に関わる知見を持つ人など、必要な人材へ早めに活動内容を説明します。名誉職として名前を置くだけでなく、会議と資料の確認に参加してもらえる体制を考えてください。

理事や監事、評議員へ依頼する資料には、役割、会議の予定、報酬の扱い、連絡方法を示します。法人設立の手続きに協力してもらう話と、成立後に法的な職務を担ってもらう話を分け、本人の理解を確認します。施設整備の計画が進んでから人員を探し始めるのではなく、同時に準備することが重要です。

出典社会福祉法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅵ定款・収支・施設の計画は、一つの法人像を示しているか

別々に作った資料の前提を照合する

社会福祉法第31条は、定款へ記載する目的、事業の種類、機関、資産、会計などの事項を定めています。第32条では資産や定款、設立手続きの適法性等を審査することが示されています。法人設立の資料は、形式ごとに空欄を埋めるだけでなく、全体が同じ事実を説明している必要があります。

施設計画では多くの利用者を受け入れるのに、収支予算の人件費が小規模事業のままになっていないかを確認します。定款に書く事業と、収入を生む事業が一致しているか、財産目録に必要な施設や設備が反映されているかも見ます。法人格の審査へ向けて、計画の関連を説明できる資料に整えます。

専門家や複数の担当者へ作成を依頼する場合、最新の変更がすべての書類へ反映される仕組みを作ります。土地の計画が変われば取得費や借入れ、日程も変わる可能性があります。法人設立の申請直前に個別の資料だけ差し替えると、他の資料との不一致を見落としやすくなります。

発起人の会議で決めた内容と申請書が違っていないかも重要です。認可のために書いた規則を設立後に誰も守れない状態では困ります。理事会や評議員会をどのように運営するか、会計資料を誰が作るかまで想定し、定款案が現実に実行できる仕組みになっているかを検討します。

申請資料のつながりを点検
図:申請資料のつながりを点検

出典社会福祉法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅶ設立登記の後も、財産移転と運営の仕事を続ける

法人格の取得を、事業開始の体制へつなげる

社会福祉法人は認可を経て登記により成立しますが、認可後の仕事はそこで終わりではありません。計画した財産の移転や報告、事業の開始に必要な対応などを、所轄庁の手引きで確認します。法人設立前に約束した寄附が、実際に法人の財産になったことを確かめる作業が必要です。

設立準備委員会等が保管していた記録や契約の資料は、成立後の法人の担当者へ引き継ぎます。資金の入出金、財産の引渡し、未了の手続きが分かるように整理してください。法人格が生じた前後で、誰がどの責任を負うかを曖昧にしないことが大切です。

毎年度の計算書類、事業報告、監査、所轄庁への提出や情報公開など、継続する管理業務もあります。法人設立の費用や人手だけを見積もらず、この運営事務を担う体制を用意します。担当者が変わっても過去の認可と決定の資料を辿れる保管方法を決めましょう。

社会福祉法人には、提供するサービスの質や地域の福祉ニーズに応える役割もあります。認可申請書に書いた計画と利用者の実情を照らし、事業を見直す機会を作ります。新しい事業や施設変更を行う場合には、法人の定款変更と事業側の手続きの双方が関係するかを確認してください。

財産移転の手続きを確認するときは、寄附契約を結んだ段階、現金等を受け取った段階、不動産の権利を移した段階を区別します。申請時の財産目録と成立後の記録を照合し、予定と違う部分があれば、その理由と対応を所轄庁へ説明できるようにしておきます。提供者への礼状だけで財産移転の証拠を代用することはできません。

事業開始の直前には、利用者の受入れ体制と法人事務の双方を点検します。設備の完成と職員の採用、運営規程の準備、行政の確認がそれぞれ進んでいるかを確かめ、未了の項目を誰が解決するかを明確にします。

一般的な税務・労務の設立後の届出は姉妹サイトの担当範囲です。本稿では、社会福祉法人固有の認可と財産・組織の運営を中心に確認します。設立認可の担当者があらゆる制度の窓口を兼ねるわけではないため、必要な相談先を分けて管理することが重要です。

出典設立認可・法人運営(厚生労働省・確認日 2026年10月11日)

標本 Ⅷまとめ|事業が続くことを、資産と組織で説明する

地域の需要と、継続できる運営を結び付ける
地域の需要と、継続できる運営を結び付ける

社会福祉法人の法人設立では、法定の社会福祉事業を行う目的と、それを支える資産、機関、運営の仕組みを整えます。所轄庁の区分を確認し、法人認可と個々の施設・事業の手続きを分けた上で、一つの計画としてつなげることが必要です。

法人格の選択を考える場合は、法人格の種類一覧も参照し、予定する事業に合う制度かを検討してください。社会福祉法人を選ぶなら、財産を提供する人と運営を担う人が、成立後の仕事まで含めた同じ見通しを持つことが大切です。

法人設立の申請に着手する前に、事業一覧、所在地、資産の権利関係、人員、収支の前提を揃えましょう。未確定の項目は未確定と示し、所轄庁との相談で確認する論点にします。認可を得ることだけでなく、地域へ約束した福祉サービスを継続できる体制を準備してください。

予定する事業を中心に、必要な場所、人、資金、認可を一枚へ書き出してみてください。まだつながっていない箇所が、最初に相談し準備すべき課題になります。

出典社会福祉法|e-Gov法令検索(デジタル庁 e-Gov・確認日 2026年10月11日)

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盛岡市「社会福祉法人及び各福祉施設指導監査等 根拠法令及び所管課 一覧表」

社会福祉法人や福祉施設ごとの根拠法令と市の所管課を一覧にした資料

社会福祉法人の制度概要社会福祉法人の目的と設立の入口を確認できます。
社会福祉法人の事業と要件
事業、組織、資産の主な要件の解説です。
mhlw.go.jp
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社会福祉法

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